Atletico de Madrid . 18-19 season
今シーズン掲げた目標
・CL優勝
・リーガ優勝
(本腰はCL)
CLの決勝の地がアトレティコの本拠地メトロポリターノ、更にアトレティコでは近年稀にみる大型補強をしたためアトレティの期待は大きく膨らんだ
新加入選手
カリニッチ(FW)ACミラン→約€1400万
ジェルソン(MF)スポルティング→フリー
レマル(MF)モナコ→約€7000万
ロドリ(MF)ビジャレアル→約€2000万
アリアス(MF)PSV→約€1100万
ジョニー(DF)セルタ→約€700万※加入後すぐにウルブズにローン移籍
アダン(GK)ベティス→約€100万
新加入選手で一番注目を集めたのはレマルだろう。
何故ならアトレティコ移籍金最高額(約€7000万)で獲得。更に🇫🇷代表でグリーズマンやリュカと仲も良く🇷🇺W杯のメンバーにも入っていた。
そしてアトレティコに必要だった『攻撃にアクセントを加えれるMF』になるだろうという期待が23歳のレマルに寄せられた。
シーズン開幕前のPSMでアトレティを驚かされたのはロドリだ。
ロドリはアトレティコのカンテラーノだったが『身体が小さい』という理由で追い出された。そこからビジャレアルに行き身体も大きくなりガビの後釜としてアトレティコに帰ってきた選手だ
フィットするには時間がかかる選手が多いアトレティコでPSMの時点でフィットしかけている彼の姿を見て驚いたアトレティは多いだろう。
元々ブスケツ二世という呼び声もありパスの正確性、散らしや、ネガティブトランジションも速く、空中戦も強い。まさにブスケツ二世と言った感じだ (この時点での課題は攻守の連携や縦パス)
そしてまだ現役大学生という、これからのアトレティコを担っていくと思わせてくれた選手だ
他にも経験のある選手やすでに実力のある選手を獲得。アトレティのハードルは上がる一方だった。
そして初の公式戦、UEFAスーパーカップ
対戦相手はCL3連覇を成し遂げたライバルチームのレアル・マドリード。マドリードダービーだ
試合は開始早々先制するも追いつかれ、逆転される展開だった「またこいつら(レアル)に負けてしまうのか…」と思ったアトレティも少なくはないだろう。だかこの試合は違った。79分に追いつきそのまま延長戦に入りサウールの再逆転弾で3-2としコケのだめ押し弾で4-2とし勝利しタイトルを手にしたのだ。
新加入のレマルも躍動し「今年は今までとは違う」と思わせてくれた。
だがしかしそう甘くはなかった
リーガ開幕戦バレンシア(アウェイ)では引き分け3節のセルタ戦(アウェイ)では敗戦、開幕から5試合で2勝1敗2引き分けと優勝を目指しているチームでは到底満足できない結果だった。
7節のマドリードダービーでは決定力を欠いたもののオブラクの活躍で0-0の引き分け
CLのグループステージはPot3.4には勝利するもドルトムントに4-0で大敗
その後ホームでドルトムントに2-0で理想的な勝利を収めたり12節のビルバオにゴディンの劇的ゴールで勝利するも13節のバルサ戦で試合終了間際に追いつかれたりして中々波に乗れない。
問題点は
・度重なる怪我人
・中々フィットしない新加入選手
・シメオネの起用法
だと考えられる。
・度重なる怪我人
怪我の内容が筋肉系統が多かったので原因はメトロポリターノの芝に問題があると考えられる。
今シーズンから天然芝と人工芝を混ぜたハイブリッド芝を使用しているのが影響しているのかもしれない
解決策は全く分からないので芝を管理している業者が改善してくれることを願って待つしかない。
・中々フィットしない新加入選手
レマルを初め、ジェルソンやアリアス。期待されていた選手が中々フィット出来なかった。
一番の期待を寄せられていたレマルも結果が出なくとも試合に出してもらえてたのにも関わらずフィットできず時間だけが過ぎていった。
そんな中ロドリはフィットしてチームを助けてくれた。
・シメオネの起用法
今シーズン、選手やサポーターが納得のいく起用法では無かったと思われる。
フィットしなかったジェルソンはそもそもチャンスが少なかった。そこで結果を残そうとしてやる気を前面に出しすぎてやる気が空回りしてしまった感じがした。
点を取りに行かないといけない時にラテラル(サイドバック)を変え、適正ではないが一応できる中盤の選手(サウール、トーマス)をラテラルにコンバートし、中盤の空いた所に前の選手を入れたりして単純に攻撃の枚数を増やす交代法だったり(それで攻撃に厚みが出ればいいのだが出てるわけではない)
他にも結果を残したのにも関わらず使われなかった選手が居たりして起用法、交代法に疑問が多く残った。
この問題が解決しないままシーズンを折り返した。(CL.GSは2位通過)
コパ・デル・レイではアトレティコの苦手意識のあるジローナで、2戦合計スコア(以降Agg)4-4アウェイゴール差で敗退。
そして冬の移籍市場が始まり1月末にチェルシーから1年半のローン移籍でモラタ獲得。
モラタ獲得は物議を醸した、小さい頃はアトレティコのカンテラーノだったが人間関係がうまく行かなかったため退団。その後はレアル・マドリードのカンテラに入りトップチームでも試合に出ていた選手だ。半分くらいのアトレティは受け入れなかっただろう
そして、サラリーキャップの上限がギリギリの状態でモラタを獲得したためこのままではFFPに引っかかってしまうため人員整理も含めジェルソンをモナコへローンで放出、今夏に獲得しウルブズへローン移籍していたジョニーをウルブズ側から買い取りの請求に応じアトレティコで試合に出る事なく放出。この放出は残念というよりジョニーにもジェルソンにも申し訳ないという感情を覚えた。
モラタを獲得し大博打を狙うも成功せず、モラタは足を引っ張るばかりだった。
特に守備だ、攻撃は個人的な駆け引きをしていたが守備に関してはただ突っ立っているだけの状態だった。アトレティコの4-4-2の守備はプレスに行くとしても行かないとしてもツートップの誘い込みから始まる、誘い込みが終わっても簡単に戻させない為に蓋をしたりするなどして前線の選手でも守備を求められる。
ただ突っ立ってるモラタに気を遣ってグリーズマンが少しカバーするも限界があり、簡単にサイドを変えられたりプレスをかけたいがモラタがファーストプレスに行かないのでチームプレスをかけれなかったり守備陣に負担がかかった。
22節のデビュー戦となるベティスは1-0で敗戦
23節のホームでのマドリードダービーでも1-3の敗戦
最悪の船出となってしまった。
それでも24節のラージョ戦では決勝点となるグリーズマンの得点をアシストした。
そして本腰のCL。決勝トーナメントベスト16
対戦相手はユベントス
1stlegはホームのメトロポリターノ。
(スタメン)
モラタやレマル、カリニッチはベンチスタート
ベストな布陣で臨んだ
試合は事前の予想通りユベントスがボールを握り、アトレティコがカウンターを狙う展開になった。
この日のアトレティコはまさに『鉄壁』だった
ユベントスに決定機を作らせず、アトレティコキラーのクリスティアーノ・ロナウドも完全に封じた。
だがアトレティコも中々決定機を生かせず時間だけが過ぎていった
モラタがゴールを決めるもVARで取り消し、
雰囲気が悪くなりそうなったが78分にコーナーからヒメネスのゴールでついに先制、更に83分にゴディンの追加点で2-0で1stlegを終えた
この試合は今季のベストゲームの一つだろう。
モラタは25節の苦手意識のあるビジャレアル相手に初得点を挙げ、26節のレアルソシエダでも得点を挙げ、ユベントス戦の活躍に期待がかかった。
そして迎えた2ndleg
左ラテラルはリュカ、フィリペが怪我をしていたためファンフランが入り、右ラテラルにはアリアスが入った
トーマス、コスタが1stlegでカードを貰い累積で出場停止だった為、サイドハーフにレマル、トップにモラタがスタメンに入った。
試合は3点必要なユベントスが攻め、アトレティコが守る展開的には1stlegと同じような展開になった。
1stlegと違ったのはアトレティコに攻める気が全くなかったことだ
4-4-2の守備で守りきれる。というシメオネの過剰な自信なのか、変に攻めるより守ることに全てを注いだ方がいいと思ったのかは分からないがアトレティコに攻める姿勢は見られなかった
ボールを奪っても大きくクリアするか、適当にボール繋いで時間を稼ぐのどちらで得点を取りに行こうとはしなかった。
シメオネが全て悪いわけではない
試合に出場している選手も攻める気がある選手は居なかった、ここで響いたのはトーマスとコスタの出場停止だろう。
アトレティコの中盤で縦パスを出せる選手はトーマスとコケだ、だかコケはリスクを冒してでも何本縦パスを出す選手ではない。
それからコスタだ、モラタも(恐らく)頑張っていたのだろうがこの試合では全くの空気だった。大きく前に出したボールを納めてくれた回数は片手で数えられるだろう。こういうシンプルなフィジカルの強さはコスタとモラタでは大きな差があり、プレーでチームを引っ張るなど、メンタル面でもコスタが必要な試合だった。
サンドバッグ状態のアトレティコは27分にロナウドに決められAggを1-2に
この失点も早過ぎた
それでも戦い方は変えなかった。
後半の頭からも戦術は同じでガードの上から殴り続けられた
後半開始5分でまたもロナウドに決められAggを2-2の同点に、0-2からこうなれば有利なのは圧倒的にホームチームだ。スタジアム、サポーター、選手の雰囲気が最高潮に
アトレティコも点を取らないと次のラウンドに進出できない為攻撃に転じようとし、コレアやビトロを投入
だか決定機まで行けず、途中出場のコレアがPA内で相手選手を倒しユベントスPKを与え、ロナウド決めついに逆転を許した。
アトレティコは攻撃の力も残っておらず試合終了。ホームでCL優勝という夢は途絶えてしまった
『枠内シュート0』
これが全てを物語っていただろう。
CLが無くなった以上残すのはリーガのみだ
だが数日でメンタル・身体的疲労が回復するわけもなく直後のビルバオに敗戦。
アトレティにとってとても辛い時期だった。
このままではいけないと。数年前から問題になっていた攻撃に関して新システムを導入した。
そのシステムというものは攻撃時3-4-3になるシステムだ。
図
(選手は試合ごとで異なっていましたがこのメンバーを何度か試していたのでこのメンバーを選びました。)
右ラテラル(ファンフラン)が高い位置に入り
左ラテラル(フィリペ)が低い位置に入る
右サイドハーフ(コケ)が中に絞り
ピボーテ(サウール)が少し前目のポジショニングをとる
ツートップの一角(グリーズマン)が崩しに参加
もう一人(モラタ)は一番ゴールに近いポジションに入る
基本的に右サイドで攻めて、中でモラタ、サウールに合わせるといった戦術だろう
大外にはレマルも居て大きなスペースがあるので個人技からのクロスやミドルが期待できる。
(まだあまり深くまで分かっていません。すいません。)
課題もまだ山積みだ
まずはカウンター
3バックになっているため両脇のスペースを使われて何度もピンチを招いた
ネガティブトランジションもレマルは速くないし、サウールは速いが距離がある。ボールを奪われた後そのままプレスに行く、もしくはトーマスとコケでどれだけ時間を稼げるかが重要になってくるだろう。
次に右サイドで攻めれなかった場合だ
右サイドで起点を作るこの戦術では右サイドを封じられた場合サイドチェンジするが、レマルの積極性もあまりなく、サウールを間受けをうまくなく効果的ではない。左サイドにボールが行っても停滞してしまい結局また右サイドで攻めようとする。
ずっと右サイドで攻めようとすると相手も対策しやすく、右ラテラルの負担も大きくなってしまう。
左サイドでの攻撃をどう改善して行くかが鍵になってくるだろう。
来シーズンに向けて
大事なのはやはり補強だ。
今夏は大幅な入れ替えが行われるだろう。
退団する選手
リュカ→バイエルン(8000万€)
ゴディン→インテル(フリー)
グリーズマン→バルセロナ(1億2000万€※20%はソシエダへ)
ファンフラン→???(フリー)
(※退団が決まった順)
最大注目はやはりエースのグリーズマンの移籍だ。
W杯前にもバルセロナへの移籍の噂があったがCL決勝の地がホーム、バルセロナより好条件の給料などの理由からか、この時には残留した。
だか、今シーズン限りでの退団が発表された(移籍先は決まってはいないが恐らくバルセロナだろう)
ネガテイブになってしまうニュースだがポジティブに考えてみよう。
アトレティコの売るタイミングとしては一番良い時かもしれない。その理由としては
①広すぎるプレーエリア
②これ以上値打ちが上がらないであろう所まで達した。
③(アトレティコでの)グリーズマンの選手として少し限界が見えた
④財政圧迫の解消
①グリーズマンの長所でもあり短所でもあるこの特徴は最近では短所になることが多くなってきていた。
ピボーテが役割の組み立てに主体として参加するなどして味方のプレーに制限がかかっていた。(この影響でグリーズマンへの依存度が高くなったと言えるだろう)
②現在の移籍市場でクラブが出せる移籍金のギリギリだと考えられる。
これ以上の値段がつけばメガクラブといえど手は出せなかっただろう。
③今シーズンのビッグマッチのグリーズマンを見ていたら分かるだろう。殆どの試合で消えてしまっていた。
本人は「メッシやロナウドと同レベルに達した」と言っていたが、彼ら二人はチームが逆境の時でも理不尽なゴールなどでチームを救ってきた。そういった面ではまだ同じレベルまで達していないのかもしれない。
他のクラブならさらに輝くかもしれないがアトレティコでは限界が見えたと思われる。
④今シーズン初めに契約延長した際、破格と言える額(メッシに次ぐリーガ2位)まで昇給した為アトレティコの財政圧迫となった
その影響を一番受けたのはリュカの移籍だ。
サラリーキャップの上限ギリギリだったアトレティコは引き止める為の契約更新・延長もできずバイエルンへ放出
ジェルソンも財政圧迫が無かったら放出せずに済んだかもしれない。
もちろん残って欲しかったのが本心だ。
攻撃は基本グリーズマン任せ、戦術理解度も高く、攻守の貢献も計り知れない。
それでもこのまま残留しても財政を圧迫し続けてまた同じようなシーズンを過ごしてしまう可能性があると考えると変化を加えるタイミングかもしれない。
次に補強ポイント
まずはCB
センターバックも頭数で2人しか居なく、カンテラーノのモンテロもトップチームで何試合か出場していたものの絶対的な信頼はまだない。
ワールドクラスもしくはアトレティコのスタイルに合った選手の獲得が望まれる。(勿論両方兼ね備えてる選手が一番良い)
次はラテラルだ。
左ラテラルはリュカが退団、フィリペも退団の可能性がある。サウールやモンテロも左ラテラルは出来るが本職ではない
フィリペが残留するならば1人、退団するなら2人欲しいところだ。
右ラテラルはファンフランが退団。
ヴルサリコは帰ってきたが(ローン先の)インテルで大怪我をし、怪我が完治するのは冬とも言われている。
そうなるとアリアスしかいないので1人は欲しい。
次にピボーテだ、サウールをピボーテで起用しているが従来のシステムでも新システムでもサウールをピボーテで起用するよりサイドで起用する方がいい。
シメオネもサウールをピボーテで起用したいのか何度もピボーテで先発起用しているが何も変わらない
ビルドアップやチャンスメイクよりフィニッシャー向きである為サイドで起用したいところである。
クアトロピボーテ(サウール,ロドリ,トーマス,コケ)の方が攻守のバランスが取れていて尚更サイドで起用した方がいいだろう。
そうするとピボーテが2(+1)人になってしまう為、ピボーテも補強してほしいところだ
後はグリーズマンの後釜
これに関しては個人的には必要ないと思っている。(そもそもグリーズマンと同じような選手なんて居ないし)
グリーズマンで得た大金を使ってワールドクラスの選手を連れて来れば済む話ではない。
大金でレマルを獲得したが1シーズンかけてもチームにフィットしなかった。
それほどアトレティコ(シメオネ)の戦術は特殊でそう簡単にはフィットしないと考えられる。(長い目で見るなら別かもしれないが)
ならグリーズマンで得た大金を何処で使うか。それは他のポジションで欲しい選手の質を上げる為に使えばいいと思う。
補強ポイントを適切な選手を獲得することを期待したい。
アトレティコは今、崩壊の危機に立たされている。
そんな状態のアトレティコでも来てくれるという選手がいるなら全力で歓迎するし、全力で応援する。
(半ば強引に)世代交代が進んで、来シーズンからはまた1からのスタートだ